その31  わかってきた新型コロナの特徴とこの冬の対策
今回は1年8ヶ月の新型コロナ感染症についての知見をまとめてみたいと思います。

新型コロナワクチンは武漢株以外には効果が低下する
日本同様70%以上の国民が接種済みのイギリス、イスラエル、シンガポールでも2021年10月より感染者が増加しています。武漢株に対して95%以上の効果を持つワクチンですが、RNAウイルスである新型コロナウイルスは自己修復能が乏しいため、2週間に1度の割合でSタンパク(ウイルス表面にあるタンパク質)の変異が起こっており、Sタンパクのみを標的としたワクチンの効果はどんどん低下します。

半端ない新型コロナワクチンの副反応
新型コロナワクチン(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ)のいずれのワクチンも、2人に1人以上の割合で高熱や倦怠感をきたし、接種翌日は休養が必要です。ファイザー発表の接種後の発熱は6人に1人でしたが、日本人に於いては副反応の頻度が高く、中には40度近い熱が数日続く人もいました。こんなに副反応の強いワクチンは類を見ません。来年秋に上梓予定の、不活化ワクチン(KMバイオ)が待ち遠しいです。

新型コロナワクチンは日本人には不要
アメリカ、イスラエルではワクチン接種後の罹患率(新型コロナに罹る人)は、接種前の10分の1に減少しました。それでもワクチン接種前の日本人の3倍かかりやすい状態です。世界の状況を見ると、アジア人では感染率も死亡率も低くなっています。上記のような副反応を考慮すると、50代以下の健康な人は、ワクチンを受けない方がいいと思います。すでに日本国民の70%以上が接種していますが。。。米国では5歳から11歳へのワクチン接種が始まっていますが、来年秋まで待ちましょう。

ワクチンによって軽症化しているのではなく、単にウイルス変異によって軽症化している
ワクチンが導入される以前の第1波、第2波は世界中でほぼ同時に始まり自然消滅しています。ジョンズホプキンス大学サイトで、世界の感染者数と死亡者数のグラフを眺めていると、ワクチン導入以前であっても、時間経過とともに死亡率が低下していることがわかります。

ウイルス流行と消退は自然現象
「第5波が消失したのはワクチン接種の影響」と述べる専門家が多いですが、コロナウイルスのような不安定(RNA一本鎖)なウイルスは、流行しすぎるとホスト(ヒト)の免疫が高まるため、それから逃れようとして(免疫逃避)変異傾向が強まり、複製ミスが起こり、自滅すると考えられています。コロナの流行は、イギリスのようにいきなりロックダウン解除するようなことがなければ、正規分布の形で推移します。

インフルエンザワクチンの有効性は新型コロナワクチンのそれを上回る
罹患率が5人に1人のインフルエンザと100人に1人の新型コロナ。ワクチンの効果efficacy (相対危険度低下)は、インフルエンザで70%、新型コロナで95%です。有効性effectiveness (絶対危険度低下)は、インフルエンザは1.6%(60人に1人の予防に寄与する NNV=60)、新型コロナは0.7%(130人に1人の予防に寄与するNNV=130)。実社会では、効果の低いインフルエンザの方が、効果の高い新型コロナワクチンより、有効性が高いのです。また、インフルエンザワクチンが、新型コロナ感染の予防効果があるとの報告も出ています。インフルエンザワクチンは、副反応もほとんどないのでぜひ接種しましょう。

第6波は必ず来る?
ウイルス感染(コロナ以外も含め)は台風と同じ自然現象なので、必ず定期的に流行します。ロックダウンしてもワクチンを打っても必ず流行は抑えられません。動物が媒介しますので。PCRや抗原検査を頻回に行っても無意味です。コロナであれば変異を重ねてさらに重症化しにくくなると思われます。もし今年インフルエンザが流行れば、ここ2年間インフルエンザの患者はほぼゼロでしたので、人々の免疫も低下していることもあって、爆発的に増えるでしょう。インフルエンザは子供に罹患しやすく、肺炎や脳症に至ることもあるので注意が必要です。

今年の冬への備え
1)インフルエンザワクチンを打ちましょう。

2)高血圧、糖尿病、肥満、喘息がある人は、年齢に関わらず肺炎球菌ワクチン(プレベナー、2ヶ月後にニューモバックス)を打ちましょう。

3)体調管理と他人へ感染させないような生活を心がけましょう。
私も健康な50代(58歳、孫1人)のため新型コロナワクチンは打っていません。インフルエンザ、肺炎球菌2種、日本脳炎を打ちました。お酒(燗酒)を毎日2合飲んでいます。健康診断で指摘事項はありません。自己管理はストレッチを毎日、筋トレは1日おきにやっています。毎朝犬(柴犬、ハチ)の散歩をしています。新型コロナの患者さんも数十人ですが診察することができました。

皆さんも必要なワクチンを接種し、自己管理を怠らず、今年の冬を無事に乗り越えましょう。来年初めには新型コロナも指定感染症から外れ、インフルエンザ同様の扱いになるものと思われます。そうすればまた、大勢でワイワイやることができるようになるでしょう。

以上です。

Coronavirus COVID-19 Global Cases (Johns Hopkins University)
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