がん検診の推奨上限年齢は69歳以下と提案されました
検診のメリットは早期発見・治療による死亡リスク低下や安心感。デメリットは偽陽性、偽陰性、過剰診断、偶発症があります。特にがん検診の有効性を検定する上で問題と成るバイアス(真実からの偏り)がありあます。

一つは、リードタイムバイアスといい、早期に発見されれば、症状が出てから治療を受けるよりも、見かけ上生存率が高くなります。もう一つはレングスバイアスといい、健診を行わなければ発見されずに他の疾患で死亡するような進行の遅いがんを検診によって発見してしまい、不要な治療が行われる可能性があることです。

検診2020年の厚労省がん検診のあり方に関する検討会中間報告では「がんの推奨上限年齢は69歳以下」と提案されました。

これは、欧米のがん検診指針や、偶発症が70歳以上で増加すること、標準治療の効果が確立している年齢が70歳前半までであること、がん以外の病状によって余命10年以下と考えられるケースが増えることなどが考慮されています。

偶発症(procedural accident)→検査や治療によって生じる症状。

福本真也 医事新報N05156 2023.2.18

がん検診 健康診断
2023.02.19 17:43 | pmlink.png 固定リンク | folder.png 医療福祉問題

- CafeLog -