がん検診の推奨上限年齢は69歳以下と提案されました
検診のメリットは早期発見・治療による死亡リスク低下や安心感。デメリットは偽陽性、偽陰性、過剰診断、偶発症があります。特にがん検診の有効性を検定する上で問題と成るバイアス(真実からの偏り)がありあます。

一つは、リードタイムバイアスといい、早期に発見されれば、症状が出てから治療を受けるよりも、見かけ上生存率が高くなります。もう一つはレングスバイアスといい、健診を行わなければ発見されずに他の疾患で死亡するような進行の遅いがんを検診によって発見してしまい、不要な治療が行われる可能性があることです。

検診2020年の厚労省がん検診のあり方に関する検討会中間報告では「がんの推奨上限年齢は69歳以下」と提案されました。

これは、欧米のがん検診指針や、偶発症が70歳以上で増加すること、標準治療の効果が確立している年齢が70歳前半までであること、がん以外の病状によって余命10年以下と考えられるケースが増えることなどが考慮されています。

偶発症(procedural accident)→検査や治療によって生じる症状。

福本真也 医事新報N05156 2023.2.18

がん検診 健康診断
2023.02.19 17:43 | pmlink.png 固定リンク | folder.png 医療福祉問題
新型コロナ・インフル同時流行対策タスクフォース
政府は10月13日、新型コロナ・インフル同時流行対策タスクフォースを立ち上げ、今冬の発熱患者への対応方針を取りまとめた。「重症化リスクが低い人が発熱した場合は、医療機関を受診する前に新型コロナの自己検査を求め、発熱外来などの受診は重症化リスクの高い人を優先させ、医療ひっ迫を防ぐ。医療機関のひっ迫を防ぐため、発熱外来やかかりつけ医などの受診は、高齢者、小学生以下、妊婦、基礎疾患のある人の4類型に重点化する。

タスクフォースは、日本医師会や日本感染症学会、経団連、全国知事会など、各種団体で構成される。発熱患者対応を実効性あるものとすべく、感染状況の共有や国民への情報発信で協力する。岸田文雄首相は10月13日の初会合で、「対策をしっかりと動かしていくために、現場での連携と協力が不可欠だ。国民への対策の周知・広報についても、一丸となって進めていきたい」とあいさつした。



(以上「医療維新」より引用 2022年10月14日配信 )

以下は個人的見解です。

お願いですから、コロナの指定感染症を解除して、一般の疾患と同列にしてください。発熱の人は辛ければ受診、自制内であれば下熱剤や葛根湯を服用して休む、でいいのでは? 

上記のような複雑なシステムでは、一般市民は混乱するだけです。

コロナへのPCRも止めましょう!
2022.10.18 10:56 | pmlink.png 固定リンク | folder.png 医療福祉問題
コロナ後遺症対応医療機関
東京都から掲題医療機関に登録するようメールがありました。コロナ後遺症で困っている方が多いのだと思います。新型コロナ後遺症に関する当院の方針を記します。

東京都保健福祉局のサイトには21種類もの症状(倦怠感、疲労感、筋肉痛、咳、息切れ、脱毛、集中力低下、頭痛、発熱、味覚障害、下痢、睡眠障害、ブレインフォグ、喀痰、胸痛、記憶障害、不眠、抑うつ、嗅覚障害、動悸、筋力低下)と各症状に対応可能な医療機関が一蘭表になっています(東京都保健福祉局サイト

上記の症状の根本は、ウイルス感染後の慢性炎症と考えられますが、自律神経の緊張によって症状が遷延化(長引いてしまう)ことが予想されます。

風邪を引いた後に咳が長引く人、疲労蓄積によって蕁麻疹が出る人、なども自律神経の緊張による慢性炎症が原因です。自律神経の緊張状態では、白血球がさまざまな炎症惹起物質(サイトカイン)を放出しますので、皮膚、粘膜、筋肉、神経などの炎症が慢性化します。

一方、局所の症状に捉われすぎると、感覚神経が敏感になり(いわゆる脳過敏)、症状が長期間持続します。脳内の神経回路が固定化され、条件反射的に神経の興奮が惹起されるので、局所の炎症はないにもかかわらず、痛みが固定化します。このような症状は疼痛症(CPS: chronic pain syndrome (G89.4))と診断されます。疼痛症は除外診断といって、可能性のある病気が全て否定されたあとに診断されます。

疼痛症と似た概念に複合性局所疼痛症候群(CRPS(G90.5)RSDとも呼ばれる)があります。これは大怪我の後、明らかな神経障害を認めないにも関わらず、慢性的に交感神経の緊張によって、局所の激痛、むくみ、色素沈着が起こっている状態です。疼痛症では局所の変化は認めません。

コロナ後遺症でも、他覚所見(検査や診察による明らかな異常)が見られないが、自覚症状がある状態で、適切な治療につながらない場合が多いと予想されます。神経内科、循環器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、耳鼻科などを受診しても、異常がありませんの一言で帰されてしまうと、患者の不安はますます高まり、症状は固定して治りにくくなります。

症状を固定させないためには、脳(自律神経)の緊張をほぐすような治療が必要になってきます。当院では新型コロナ後遺症に対して、自己管理の方法(運動、食事、症状に対する考え方)をテーマに2週間に1度の割合で通院していただき、必要に応じて抗不安薬や抗うつ薬等を使用します。漢方をご希望の方は加味帰脾湯を使用します。

ウイルス感染後症候群(post-viral syndrome) 健康一口メモ

Long-term effects of coronavirus (NHS) 英国国民健康サービス

Long COVID  米国疾病対策予防センター
2022.10.17 16:31 | pmlink.png 固定リンク | folder.png 医療福祉問題

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