その68 行動活性化(Behavioral Activation)
先日SNSである東大生が「「勉強し始めるとスイッチが入って、勉強が続けられるようになる。5分だけでいいから勉強しようと思うことが大切なんです」と話していました。
このことはまさにうつ病に治療に応用されている「行動活性化」と一緒です。
「やる気がでないんです」と言う人がよくいますが、気分が乗らなくても5分でいいからやってみるのです。5分やって続けられないと思ったらやめてかまいません。
不思議なことにやり始めてみると少しずつ意欲が出て、思いのほかその行動に集中できることがあります。行動によって脳からドーパミンというやる気のホルモンが放出されることがわかっています。また、エンドルフィンという快楽のホルモンも分泌され、気分がスッキリします。
止まっているとネガティブな考えがぐるぐると頭の中に回り始め、何もできなかったとことに対して自己嫌悪に陥ります。それが抑うつ気分に悪循環です(下図)
どうしてもやる気が出ないときはあります。そのようなときは、すぐに取り組みやすい行動(エントリー行動 )をいくつか揃えておきましょう。
例えば、大きく伸びをして深呼吸する、手をグーパーする、あくびをする、腹を凹ませる、目を大きく開くなどです。これらを行うと脳からドーパミン、エンドルフィンが出てやる気スイッチが入りやすくなります。
行動を起こすことで気分が良くなり、更に行動を継続するという好循環が得られ、倦怠感と意欲低下の悪循環を断ち切ることができます。ただし、下図のようにうつ病の病相期では、無理に行動を起こすことは避けて、ゆっくりと休息をとります。
行動活性化はもともと認知行動療法という精神科治療の一部ですが、一般の人々のウェルビーイング(心身の健康と幸福)にも応用可能であることが研究で示されています。人間の幸せ(happiness)は、多くの正の気分と少ない負の気分の組み合わせからなり、人生に満足している状態です。それは必ずしも大きな家に住み、大きなテレビを所有するだけでは得られないものです。
人間の環境において嫌なことを避けることは、一時的に自分の気持ちを楽にさせますが、長い目で見たときに自分の成長を妨げることになります。幸福は、行動を起こすことで得られるのです。
以上です。
「Behavioral activation interventions for well-being: A meta-analysis」(DOI:10.1080/17439760903569154)
このことはまさにうつ病に治療に応用されている「行動活性化」と一緒です。
「やる気がでないんです」と言う人がよくいますが、気分が乗らなくても5分でいいからやってみるのです。5分やって続けられないと思ったらやめてかまいません。
不思議なことにやり始めてみると少しずつ意欲が出て、思いのほかその行動に集中できることがあります。行動によって脳からドーパミンというやる気のホルモンが放出されることがわかっています。また、エンドルフィンという快楽のホルモンも分泌され、気分がスッキリします。
止まっているとネガティブな考えがぐるぐると頭の中に回り始め、何もできなかったとことに対して自己嫌悪に陥ります。それが抑うつ気分に悪循環です(下図)
どうしてもやる気が出ないときはあります。そのようなときは、すぐに取り組みやすい行動(エントリー行動 )をいくつか揃えておきましょう。
例えば、大きく伸びをして深呼吸する、手をグーパーする、あくびをする、腹を凹ませる、目を大きく開くなどです。これらを行うと脳からドーパミン、エンドルフィンが出てやる気スイッチが入りやすくなります。
行動を起こすことで気分が良くなり、更に行動を継続するという好循環が得られ、倦怠感と意欲低下の悪循環を断ち切ることができます。ただし、下図のようにうつ病の病相期では、無理に行動を起こすことは避けて、ゆっくりと休息をとります。
行動活性化はもともと認知行動療法という精神科治療の一部ですが、一般の人々のウェルビーイング(心身の健康と幸福)にも応用可能であることが研究で示されています。人間の幸せ(happiness)は、多くの正の気分と少ない負の気分の組み合わせからなり、人生に満足している状態です。それは必ずしも大きな家に住み、大きなテレビを所有するだけでは得られないものです。
人間の環境において嫌なことを避けることは、一時的に自分の気持ちを楽にさせますが、長い目で見たときに自分の成長を妨げることになります。幸福は、行動を起こすことで得られるのです。
以上です。
「Behavioral activation interventions for well-being: A meta-analysis」(DOI:10.1080/17439760903569154)